コンサルのメモ

30代ほやほやの某戦略コンサルManager。色々とメモしておきます。

【組織改革】組織が動くシンプルな6つの原則-byBCG(2014/10/17)

経営へのアプローチ

〇ハードアプローチの考え方

 ・組織構造・プロセス・システムはパフォーマンスに直接的影響を与える

e.g.グローバルに展開する企業において、分権的な組織構造を選べば、最大限のパフォーマンスを発揮

 ・金銭的インセンティブによって従業員の行動をコントールする

e.g.KPIを達成した従業員に莫大なボーナスを支払うことで、最大限のパフォーマンを発揮

 

 〇ソフトアプローチの考え方

 ・従業員の行動は対人関係および心理的欲求とマインドセット によってあらかじめ決まっている

e.g.従業員のきずなを深めるイベントや社内コミュニティにおけるお祝いによる感情的な刺激によって最大限のパフォーマンスを発揮

 

⇒経営はハードアプローチ(例えば組織改編)によって生じた従業員の不満と意欲の低下に対して、ソフトアプローチ(例えば懇親会や飲み会)を用いて従業員に気分よく働いてもらうことで、問題は解決していると考えている

⇒逆説的にそれでも意欲が低い場合は、従業員個人の問題として、才能ある人材を無為にしている可能性がある

 

結果、人を切るか、ハードアプローチとソフトアプローチを繰り返して、管理不能なつぎはぎだらけの組織構造や従業員満足度向上施策を展開していないか?という課題提起。

 

解決の方針

〇上記の課題を解決する前提となる科学的基盤

a.人間の行動は科学的

b.公式の規則やプロセスは人間の行動に想定通りの影響を及ぼすわけではない

c.協働は、自明の価値や目的でない

d.権限は必要悪でもなければ、強制の源でもない

 

〇上記の課題を解決する6つのシンプル・ルール

①従業員の行動を理解する

‐ 従業員が何をどういう理由でしているのか(≒パフォーマンス)を理解する

②協働の要を見つける

‐ 業務部門の中で特別な利害やパワーをもち、他部門との協働推進役を果たせそうな候補者を見つける

③権限の総量を増やす

- ポジティブサムゲーム(各担当者が他社の不利益にならない打ち手を打てる権限を増やす)を実現する権限設計

④助け合いを仕組化する

- 助け合いを促す協働誘発型目標を設定し、独占的部門の排除、リソースの削減、新たな相互作用ネットワークの構築によって互恵性(一人の成功は皆の成功に依存)を作り出す

 ※注意ポイント

 ・目標は明瞭すぎてはいけない(それ以上のことをしなくなる)

 ・協働は個人の責任を希薄化する

 ・相互依存性は説明責任を損なう

⑤助け合いの結果をFBする

- FBの頻度を高める、PJの期間を短縮し、活動完了まで関与させる、相手の靴を履かせる(製造部門が営業部門の業務を試しにやってみる)

⑥助け合った人に報いる

- 従来の評価基準から脱皮し、協働者を評価する。また失敗したことは責めずに、協力しなかった者、協力を求めなかった者を責める。

 

〇アプローチ

STEP1:協働の必要性を訴えうる課題を見出す

STEP2:協働の障害になるものを見つける

STEP3:利益を勝ち取る

 

〇一言メモ

様々なケーススタディが交えて解説されており、良著。

ただし日経企業にそのまま適用するには、そもそも何かを共有する。という文化を作るとこから始めなければならず、もう一段階手前の取り組みが必要と想定される。