コンサルのメモ

30代ほやほやの某戦略コンサルManager。色々とメモしておきます。

【Technology】すぐわかるIoTビジネス200by日経コンピュータ(2016/04/19)

〇IoTセキュリティ

・米FCA US(旧クライスラー)が2015年7月に「ジープ」等の約140万代をリコール

 理由はインターネット経由でハンドルやブレーキの制御を乗っ取ることが可能になる脆弱性が発覚したため。

⇒その後修正適用を徹底する方針に転換

 

・日本政府は2015年9月に打ち出した「サイバーセキュリティ戦略」では「安全なIoTシステムの創出」を掲げた。

・システム設計の段階からセキュリティを確保する「セキュリティ・バイ・デザイン」を推進する・

・今後も各分野向けにガイドラインを整備する。

 

・データ保有者の考え方は明確化されていない。

・米ベンチャー企業エブリセンスは2015年12月に世界初のIoTデータ交換取引所を開設し、日本で試験サービス「EveryStamp」を開始。

資金調達をMakuakeでやってみるみたいです。

www.makuake.com

 

〇IoTを支える技術

(1)デバイス

(2)無線ネットワーク

 A.Wi-Fi

 B.Bluetooth

 C.ZigBee

   →それぞれにおいてa.ゲートウェイ機器との接続方式とb.直接通信方式

(3)APIプロトコル

 A.ECHONET

 B.MQTT

 C.CoAP

 D.Pysical Web

(4)データ解析

 

〇各ベンダーの取組

Google:IoT基盤Brilloを発表(2015年5月).買収したセンサーメーカーNest Labsが中心

・SFDC:13社と協業。

・SAP:HANAにセンサーデータを取り込めるように

・Oacle:ラズパイ向けのOracle IoT Cloud Serviceを提供開始(2016年5月)

・Yahoo:家電連携向けのMythingsを提供(2015年7月)

AWSAWS IoTを提供開始(2015年10月)

 

〇標準化の動き

①通信キャリア:OneM2M、ITU-T

②インターネット:IEFE、W3C

③産業制御業界:IEC/SG、/TC

④電気業界:ISO、JTC-1

IEEE:2413、802.11/15/16等

⑥業界団体:OASIS、OMA

⑦その他標準化団体以外:

 a)異業種:Industry4.0、Hyper/CAT、IIC等

 b)リーダー企業中心:ASA、OIC、Thread Group、Home Kit等

 c)同業種:M2M World Alliance、Bridge Alliance、IVI、NGM2M等

 

〇個人的に知らなった事例

ブリヂストン:タイヤの内側に加速度センサーを搭載し、路面状態を判別(CAIS/2015年11月実用化)

・日本海事協会:船舶のエンジン異常を事前に予測(ClassNK CMAXSLC-A/2015年11月提供開始)

・ダッドウェイ:抱っこひもの画像データを蓄積し、偽造品を検出

 

〇一言メモ

・様々な事例が取り上げられており、示唆に富んでいる。

 ベースとなる技術にもある程度触れられており、ある程度の基礎知識は得られる。

【Technology】サイバーセキュリティ2020脅威の近未来予測byJNSA未来予測プロジェクト(2015/11/6)


〇IoTの脅威
 ・デバイスのブラックボックス化が進む
 +セキュリティノウハウがない新規参入の増加

ウェアラブルデバイスの脅威
 ・デバイスそのものに対する攻撃
  -デバイスの乗っ取りによる漏えい・ボット化・誤作動
 ・近距離通信の脆弱性を利用した攻撃
  -通信傍受による漏えい
 ・デバイスの中継機能や認証GWに対する攻撃
  -偽情報の配布
 ・デバイス内に保管される情報の漏えい
  -なりすましログイン
 ・デバイスの悪用による不正な情報取得
  

〇画像認識/拡張現実
 ・現実世界とユーザが見ている世界のギャップによるトラブルの誘発

 

〇ロボットの脅威
 ・標準化が進んでいる一方で、脆弱性が発覚した場合には、全世界のロボットが一斉に操られ、人命を犯すリスクすらあり
  +ロボットが収集しているプライバシー情報も含めて取得されるリスクあり

 

〇一言メモ

・所用により、情報をInputしたかったが、副題に「近未来予測」とある通り、全体的に想像に基づいた抽象的な論理展開が多く、個人的には期待に沿うものではなかった。(そうでしょうね、という情報が多かった)

【組織改革】組織が動くシンプルな6つの原則-byBCG(2014/10/17)

経営へのアプローチ

〇ハードアプローチの考え方

 ・組織構造・プロセス・システムはパフォーマンスに直接的影響を与える

e.g.グローバルに展開する企業において、分権的な組織構造を選べば、最大限のパフォーマンスを発揮

 ・金銭的インセンティブによって従業員の行動をコントールする

e.g.KPIを達成した従業員に莫大なボーナスを支払うことで、最大限のパフォーマンを発揮

 

 〇ソフトアプローチの考え方

 ・従業員の行動は対人関係および心理的欲求とマインドセット によってあらかじめ決まっている

e.g.従業員のきずなを深めるイベントや社内コミュニティにおけるお祝いによる感情的な刺激によって最大限のパフォーマンスを発揮

 

⇒経営はハードアプローチ(例えば組織改編)によって生じた従業員の不満と意欲の低下に対して、ソフトアプローチ(例えば懇親会や飲み会)を用いて従業員に気分よく働いてもらうことで、問題は解決していると考えている

⇒逆説的にそれでも意欲が低い場合は、従業員個人の問題として、才能ある人材を無為にしている可能性がある

 

結果、人を切るか、ハードアプローチとソフトアプローチを繰り返して、管理不能なつぎはぎだらけの組織構造や従業員満足度向上施策を展開していないか?という課題提起。

 

解決の方針

〇上記の課題を解決する前提となる科学的基盤

a.人間の行動は科学的

b.公式の規則やプロセスは人間の行動に想定通りの影響を及ぼすわけではない

c.協働は、自明の価値や目的でない

d.権限は必要悪でもなければ、強制の源でもない

 

〇上記の課題を解決する6つのシンプル・ルール

①従業員の行動を理解する

‐ 従業員が何をどういう理由でしているのか(≒パフォーマンス)を理解する

②協働の要を見つける

‐ 業務部門の中で特別な利害やパワーをもち、他部門との協働推進役を果たせそうな候補者を見つける

③権限の総量を増やす

- ポジティブサムゲーム(各担当者が他社の不利益にならない打ち手を打てる権限を増やす)を実現する権限設計

④助け合いを仕組化する

- 助け合いを促す協働誘発型目標を設定し、独占的部門の排除、リソースの削減、新たな相互作用ネットワークの構築によって互恵性(一人の成功は皆の成功に依存)を作り出す

 ※注意ポイント

 ・目標は明瞭すぎてはいけない(それ以上のことをしなくなる)

 ・協働は個人の責任を希薄化する

 ・相互依存性は説明責任を損なう

⑤助け合いの結果をFBする

- FBの頻度を高める、PJの期間を短縮し、活動完了まで関与させる、相手の靴を履かせる(製造部門が営業部門の業務を試しにやってみる)

⑥助け合った人に報いる

- 従来の評価基準から脱皮し、協働者を評価する。また失敗したことは責めずに、協力しなかった者、協力を求めなかった者を責める。

 

〇アプローチ

STEP1:協働の必要性を訴えうる課題を見出す

STEP2:協働の障害になるものを見つける

STEP3:利益を勝ち取る

 

〇一言メモ

様々なケーススタディが交えて解説されており、良著。

ただし日経企業にそのまま適用するには、そもそも何かを共有する。という文化を作るとこから始めなければならず、もう一段階手前の取り組みが必要と想定される。